大分県の佐賀関と愛媛県の佐田岬に囲まれた豊予海峡は、太平洋と瀬戸内海の入口にあたり流れが大変速く激しい海域で「速吸の瀬戸」と呼ばれる。潮流が早く魚の餌が豊富なため、回遊せずに「瀬つき魚」として住み着くアジがいる。関で生まれて関で育つ「関あじ」だ。荒波に揉まれて成長したマアジは、急流のおかげで身が引き締まり、比較的脂分が少ない。関の漁師達が一本釣りで釣り上げたアジは「関あじ」と呼ばれ、干したのが関あじ開き。干して水分を取り除くことで更に魚の旨みが凝縮され、さっぱりしたおいしさの干物に仕上がっている。創業1908年(明治41年)の水産加工会社「やまろ渡邉」は、豊後水道の種類豊富で新鮮な魚にこだわり、100年の歴史を誇る干物づくり・水産加工品作りをおこなっている。