鶏肉消費量が全国1位と、大分県は鶏が大好きな県。大分名物「とり天」は、ひと口大にカットして揚げた鶏肉の天ぷらのことで、大分では極めてメジャーな料理。県下各地のレストランや定食店、喫茶店、中華料理店、弁当屋どこでも味わえる。発祥は日本有数の温泉のまち、別府で、台湾系の中華料理としてうまれたといわれている。酢じょうゆとカラシで食べるのが基本のようだが、中華風、和風、洋食系、やさしい味、にんにくガッツリ系など、今では各店舗によって様々な味付けで楽しめる。それぞれに衣や揚げ方にもこだわりがあるので好みの味を探して欲しい。
大分県は、鶏肉を多く食べることで知られています。2019年に総務省が都道府県庁所在地と政令指定都市を対象に行った調査によれば、大分市が一世帯あたりの鶏肉年間消費量で全国1位に輝きました。
大分県では、鶏肉を主成分とした料理がさまざま楽しまれてきました。その中で、鶏肉を使った「鶏めし」や鶏出汁をベースにした料理である「鶏汁」などが挙げられます。特に、「とり天」として知られる鶏肉の天ぷらも、大分県全体で広く親しまれています。
「とり天」は、鶏肉が高価だった時代に、家庭で経済的に調理された料理です。この料理では、鶏肉にたっぷりの衣がまとわりついており、その厚い衣が食材を増やす効果を持っていました。そのため、家族が多くても皆が鶏肉を楽しむことができたのです。
この「とり天」は、別府市内にある「東洋軒」というレストランで発祥しました。昭和初期に、既存のメニューである唐揚げが骨付きだったため、女性が食べにくいという配慮から、骨のない鶏もも肉を食べやすい大きさに切り、天ぷら風にアレンジされました。このサクサクとした柔らかい衣が評判となり、多くの飲食店が「とり天」を提供するようになりました。
「とり天」は、大分県では日常的に食べられる一般的なメニューで、飲食店でも広く提供されています。地元の住民から観光客まで、多くの人が楽しんでいます。
一般的な食べ方は、鶏もも肉または胸肉を醤油やにんにくで下味をつけ、天ぷら粉で揚げた後、練りからしをつけた酢醤油で食べることです。ポン酢やかぼすを使うこともあり、下味やたれの作り方は家庭によって異なります。また、使用する部位によっても味わいが異なることがあります。